肺気腫在宅療法
肺気腫は誰もがかかる可能性のある難病の一つとされていますし、原因は未だ不明とされていますが、排気ガスやタバコの煙が原因の最有力候補として挙がっており、中でも肺気腫患者の80％が喫煙者であると言う調査報告もあるように、喫煙が肺気腫の原因として考えられています。
肺気腫にかかった場合、根治させることは出来ず、対症療法によって症状を緩和させ、日常生活に影響のない体を作っていく治療法が必要になりますが、仮に治療を行わずに肺気腫が進行してしまい、重度の肺気腫にまで進んでしまった場合には、近所を散歩しただけの軽い運動でも低酸素血症を引き起こすほどになります。
重度の肺気腫の場合、人工的に酸素の吸入が必要になり、自宅などに酸素吸入器を導入するなどの必要が出てきますが、これを対症療法の在宅療法（在宅酸素療法）といいます。
肺気腫の場合、呼吸以外の問題はなく、入院を必要とするケースは少ないため、在宅での治療が主だった治療法になりますが、その際に必要になってくるのが酸素吸入器であり、在宅療法であるわけです。
在宅療法で用いられる酸素吸入器にはいくらかの種類があり、小型の医療器具を自宅へ配置し、濃縮された酸素を医師の指示通りに吸入することで、不足している酸素を補いますが、出かけるには不便な大きさであるため、外出用の酸素吸入器として酸素ボンベが使われますし、吸入器に比べれば格段に小型化されたものですが、それでも大きいことには違いありませんし、最近では、少し大きめのバッグやリュックなどに入れて持ち運びできる程度のものもニーズに合わせて開発されています。
酸素吸入器も酸素ボンベも濃縮された酸素を蓄積したものであるため、温度には特に注意が必要になりますが、実際、酸素吸入器の近くでタバコを吸ったために、引火したと言う事故も報告されており、酸素ボンベの危険性を軽く考えている場合が少なくはありませんが、場合によっては、酸素吸入器のある部屋での石油ストーブも危険とされているため、火気には細心の注意を払う必要があります。