肺気腫対症療法
肺気腫症状は今現在、根治するための治療法はないとされていますので、一度でも肺気腫を発症した場合、発症以後の人生は肺気腫と付き合い続ける必要が出てきます。
肺気腫の進行を抑え、症状を緩和する治療法は存在しても、肺気腫そのものを治療する方法は存在していませんので、肺気腫にならないように予防に努めることが何よりも大切なこととなりますが、それでも肺気腫を発症してしまうこともありますし、肺気腫と診断された場合には進行を抑え、症状緩和のための治療を始めなければいけません。
肺気腫が治療不可能と言われるのは、破壊された肺胞が二度と再生されないという理由からで、排気ガスやタバコなどで肺胞が傷つき、破壊されてしまった肺胞は決して再生することなく、ぐずぐずに崩れたスポンジのような状態となって、呼吸困難などの症状の原因となります。
肺気腫症状は治療をすることは出来ませんが、症状を緩和するための対症療法は有効であるとされていますが、最も大切なのは、肺気腫にならないための予防をしっかりと行うことで、確実に肺気腫にならない方法と言うものは存在しませんから、肺気腫となった場合には、相応の対症療法が行われることになります。
軽度の肺気腫の場合、一般的に呼吸リハビリテーションと呼ばれる対症療法を行いますが、肺気腫の症状である呼吸困難の症状を呼吸筋を有効に使ってサポートする方法で、呼吸をしやすい状態へ体を作る手段になります。
中度以上の症状の場合には、薬物を使った対症療法を行う場合がありますが、こちらは気管支を拡張する薬物を使うことで、呼吸をしやすくするという効能を期待するものです。
重度の肺気腫の場合、上記の対症療法では症状を抑えることは難しいため、酸素吸入を行うようになりますし、重度の肺気腫患者に限定し外科的治療を行い、肺気腫の症状の緩和を行う治療も存在します。
重度になるまで症状が進みますと、何をしていても息苦しい状態が続きますから、そうならないためには軽度・中度のうちにしっかりと対処することが望ましいとされています。